ジョンジーの話


はかなくなる2週間前














我が家には六匹の猫がいる。
はじめから猫ホリックだったわけではなく
ほんの三年ほど前から
どんどんどんどん増えてきたのだ。

一代目のアカトラのジョンジーは、まだ目も良く見えないうちに
母猫に見捨てられ、あわや飢え死にか、
と言うところを次男坊に拾われてきた。
手のひらにすっぽりと納まるくらい小さかった。
これが猫の魅力を最大限に発揮して、
我が家の家族全員に魔法をかけてしまったのである。

しっぽが真っ直ぐで長く、
適度に食べ、適度に運動をしてスマートで
抜群の運動神経で、犬小屋の屋根から一階のひさしへ、
そして、二階のベランダへという経路で、
家と外とを行き来していた。
これはいじめっ子の野良猫を振り切る絶好のルートだった。

外を走りまわると、猫は怪我をしてくるものである。

一回目の大怪我は、何とタマタマをがぶりとやられてきた。
あまりに無防備ではないのか、と皆にちょっと笑われた。

二回目の大怪我は、あの自慢の長くて真っ直ぐなしっぽを、
先っぽ7センチ位軟骨だけにして帰ってきた。
今度は誰も笑わなかった。
直るのに1ヶ月かかった。
そして、しっぽは7センチ短くなった。

生後一年半を過ぎる頃から、腎臓が悪いといわれ、
時々、薬や注射のお世話になった。
薬を飲むのがとても上手だった。
それでも元気に外を歩き廻り、
シーズン毎に、美猫を求めて咆哮、徘徊して
3日も帰らないこともあった。

ある日、重態になり、
もっても一週間と宣告されたが、
毎日通った注射のおかげか、奇跡的に快復し、
またまた外にでかけていった。
可愛いめすねこが、となりの物置に連れてきた子猫達が、
どことなくジョンジーに似ていたりした。

春が過ぎ、夏も過ぎて、秋になった。

そしてついに注射も効かなくなり、
はかなくなってしまったのだ。

花をいっぱい箱に入れてやって、荼毘に付し、
庭のひいらぎの根元に休ませてやった。

家族たちは、ジョンジーのいない寂しさに耐えられなかった。

ジョンジーの空けた穴は、大きく、
これを埋めるために、次々と猫を家に連れてくることになってしまった。
と言うわけである。

その時から、猫ホリック。

ところで、ジョンジーが元気なころ、わが家の写真機は
調子が悪く、まともな写真がない。
おまけに可愛い盛りの子猫時代のビデオは
いつの間にか上書き録画をされてしまったので、
ジョンジーの本当の可愛い姿は家族の記憶の中にしかない。

今いる猫達のドラマは、またこの次の機会にでも。




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